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技術資料

メガネ素材について

セルロイド・アセチの説明

一般にプラスチックと言えば石油を主原料として作られますが、当社のプラスチックは綿やパルプなどの
植物繊維素をベースに作られています。硝化綿を主原料としたセルロイド、酢酸綿を主原料とした
セルロース・アセテート・プラスチックがあり、セルロイドはシート、アセテート・プラスチックはシート状の
アセチロイド®とペレット状のアセチ®の2種類があります。またアセチロイド®シートには製造方法の
違いにより3種の形状があります。いずれも肌触りが良い、透明性が高い、耐油性に優れるなどの
特徴があります。

セルロイド
繊維系プラスチックのルーツで、非常に長期間にわたり、多くの方々に愛用されている素材です。
発火性が強く、取扱いには十分な注意が必要ですが、ほかの繊維素系プラスチックにくらべて変形が
少ないという大きなメリットがあります。現在もその自然なテイストと暖かみのある色柄で、メガネフレーム、
理美容用のクシ、ギターピック、楽器の部品、また卓球用ボールなどにも利用されています。
アセチロイド
酢酸綿を主原料に作られる繊維素系樹脂です。一般的にはアセテート樹脂と呼ばれ、
世界の多くのメガネフレームはアセテート樹脂から作られています。
製造方法の違う3種のシートがあります。

1.ブロックシート(セルロイド・VB)
大きな塊から1枚1枚シート状に削られる湿式法というセルロイドと同じ方法で作られ、
非常に複雑な色柄が再現できます。その特殊な製法によりほかのシートに比べ製造期間は長くなります。
高級メガネフレームには欠かせない材料です。
2.ドライブロックシート(ノバロイド)
乾式ブロックシートとも呼ばれ、湿式ブロックシートに比べ、乾燥工程を省くことで、製造期間が短く、
小ロットの製造が可能です。主にメガネフレームのテンプルなどに使用されます。
3.押し出しシート(VRM)
アセテート・プラスチックのペレットを押出して作られます。
単色はもとより、多色押出しによりレイヤーや種々の柄物シートがあります。ブロックシートと貼り合わせ、
複雑な構成を持つタイプもあります。メガネフレームには最もポピュラーな材料です。

プラスチック生地のミルシート

項目 単位 セルロイド アセチロイド®
VB ノバロイド VRM
サイズ (長さ) mm 約1,400 約1,400 360 640 / 1,000
    (幅) mm 約635 約635 320 150-230
熱変形温度 65-75 60-70 60-70 60-70
曲げ強さ MPa 60-80 50-70 45-55 45-55
比重 1.35-1.40 1.27-1.32 1.27-1.32 1.27-1.32
引張強さ(破断) MPa 45-65 45-55 38-45 38-45
伸び % 20-40 25-40 25-40 25-40
衝撃強度 J/m 150-200 100-150 100-150 100-150
*いずれの数値もあくまで目安で、それを保証するものではありません。

樹脂材料の記号の一覧表

樹脂材料の記号の一覧表

 

1 記号 材料の正式名称 英文表記
2 AB アクリロニトリル-ブタジエン-プラスチック acrylonitrile-butadiene plastic
3 ABAK アクリロニトリル-ブタジエン-アクリル酸エステルプラスチック acrylonitrile-butadiene-acrylate plastic
4 ABS アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック acrylonitrile-butadiene-styrene plastic
5 ACS アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン acrylonitrile-chlorinated polyethylene-styrene
6 AEPDS アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレンプラスチック acrylonitrile-ethylene-propylene-diene-styrene plastic
7 AMMA アクリロニトリル-メタクリル酸メチルプラスチック acrylonitrile-methyl methacrylate plastic
8 ASA アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステルプラスチック acrylonitrile-styrene-acrylate plastic
9 CA 酢酸セルロース cellulose acetate
10 CAB 酢酸酪酸セルロース cellulose acetate butylate
11 CAP 酢酸プロピオン酸セルロース cellulose acetate propionate
12 CEF セルロースホルムアルデヒド cellulose formaldehyde
13 CF クレゾールホルムアルデヒド樹脂 cresol-formaldehyde resin
14 CMC カルボキシメチルセルロース carboxymethyl cellulose
15 CN 硝酸セルロース cellulose nitrate
16 COC シクロオレフィンコポリマー cycloolefin copolymer
17 CP プロピオン酸セルロース cellulose propionate
18 CTA 三酢酸セルロース cellulose triacetate
19 EAA エチレン-アクリル酸プラスチック ethylene-acylic acid plastic
20 EBAK エチレン-アクリル酸ブチルプラスチック ethylene-butyl acrylate plastic
21 EC エチルセルロース ethyl cellulose
22 EEAK エチレン-アクリル酸エチルプラスチック ethylene-ethyl acrylate plastic
23 EMA エチレン-メタクリル酸プラスチック ethylene-methacrylic acid plastic
24 EP エポキシ樹脂、エポキシド、エポキシプラスチックのいずれか epoxy resin, epoxide, epoxy plastic
25 E/P エチレン-プロピレンプラスチック ethylene-propylene plastic
26 ETFE エチレン-テトラフルオロエチレンプラスチック ethylene-tetrafluoroethylene plastic
27 EVAC エチレン-酢酸ビニルプラスチック ethylene-vinyl acetate plastic
28 EVOH エチレン-ビニルアルコールプラスチック ethylene-vinyl alcohol plastic
29 FEP ペルフルオロ-エチレン-プロピレン-プラスチック perfuruoro-ethylene-propyrene plastic
30 FF フラン-ホルムアルデヒド樹脂 furan-formaldehyde resin
31 LCP 液晶ポリマー liquid-crystal polymer
32 MABS メタクリル酸メチル-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック methyl methacrylate-acrylonitrile-butadiene-styrene plastic
33 MBS メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレンプラスチック methyl methacrylate-butadiene-styrene plastic
34 MC メチルセルロース methyl cellulose
35 MF メラミン-ホルムアルデヒド樹脂 melamine-formaldehyde resin
36 MP メラミン-フェノール樹脂 melamine-phenol resin
37 MSAN α-メチルスチレン-アクリロニトリルプラスチック α-methylstyrene-acrylonitrile plastic
38 PA ポリアミド polyamide
39 PAA ポリアクリル酸 poly(acrylic acid)
40 PAEK ポリアリールエーテルケトン polyaryletherketone
41 PAI ポリアミドイミド polyamideimide
42 PAK ポリアクリル酸エステル polyacrylate
43 PAN ポリアクリロニトリル polyacrylonitrile
44 PAR ポリアリレート polyarylate
45 PARA ポリアリールアミド polyarylamide
46 PB ポリブテン polybutene
47 PBAK ポリアクリル酸ブチル poly butyl acrylate
48 PBD 1,2-ポリブタジエン 1,2-polybutadiene
49 PBN ポリブチレンナフタレート poly butylene naphthalate
50 PBT ポリブチレンテレフタレート poly butylene terephthalate
51 PC ポリカーボネート polycarbonate
52 PCCE ポリシクロヘキシレンジメチレン=シクロヘキサンジカルボキシレート poly cyclohexylenedimethylene cyclohexanedicarboxylate
53 PCL ポリカプロラクトン polycaprolactone
54 PCT ポリシクロヘキシレンジメチレン=テレフタレート poly cyclohexylenedimethylene terephthalate
55 PCTFE ポリクロロトリフルオロエチレン polychlorotrifluoroethylene
56 PDAP ポリジアリルフタレート poly diallyl phthalate
57 PDCPD ポリジシクロペンタジエン polydicylopentadiene
58 PE ポリエチレン polyethylene
59 PE-C 塩素化ポリエチレン Chlorinated polyethylene
60 PE-HD 高密度ポリエチレン high density polyethylene
61 PE-LD 低密度ポリエチレン low density polyethylene
62 PE-LLD 線状低密度ポリエチレン linear low density polyethylene
63 PE-MD 中密度ポリエチレン medium density polyethylene
64 PE-UHMW 超高分子量ポリエチレン ultra high molecular weight polyethylene
65 PE-VLD 極低密度ポリエチレン very low density polyethylene
66 PEC ポリエステルカーボネート polyestercarbonate
67 PEEK ポリエーテルエーテルケトン polyetheretherketone
68 PEEST ポリエーテルエステル polyetherester
69 PEI ポリエーテルイミド polyetherimide
70 PEK ポリエーテルケトン polyetherketone
71 PEN ポリエチレンナフタレート poly ethylene naphthalate
72 PEOX ポリエチレンオキシド poly ethylene oxide
73 PESTUR ポリエステルウレタン polyesterurethane
74 PESU ポリエーテルスルホン polyethersulfone
75 PET ポリエチレンテレフタレート poly ethylene terephthalate
76 PEUR ポリエーテルウレタン polyetherurethane
77 PF フェノール-ホルムアルデヒド樹脂 phenol-formaldehyde resin
78 PFA ペルフルオロアルコキシアルカン樹脂 perfluoroalkoxyalkane resin
79 PI ポリイミド polyimide
80 PIB ポリイソブチレン polyisobutylene
81 PIR ポリイソシアヌレート polyisocyanurate
82 PK ポリケトン polyketone
83 PMI ポリメタクリルイミド polymethacrylimide
84 PMMA ポリメタクリル酸メチル poly methyl methacrylate
85 PMMI ポリ N-メチルメタクリルイミド poly N-methylmethacrylimide
86 PMP ポリ 4-メチルペンタ-1-エン poly 4-methylpent-1-ene
87 PMS ポリ α-メチルスチレン poly α-methylstyrene
88 POM ポリオキシメチレン、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒドのいずれか poly oxymethylene, polyacetal, polyformaldehyde
89 PP ポリプロピレン polypropylene
90 PP-E 発泡性ポリプロピレン expandable polypropylene
91 PP-HI 耐衝撃性ポリプロピレン high impact polypropylene
92 PPE ポリフェニレンエーテル poly phenylene ether
93 PPOX ポリプロピレンオキシド poly propylene oxide
94 PPS ポリフェニレンスルフィド poly phenylene sulfone
95 PPSU ポリフェニレンスルホン poly phenylene sulfone
96 PS ポリスチレン polystyrene
97 PS-E 発泡性ポリスチレン expandable polystyrene
98 PS-HI 耐衝撃性ポリスチレン high impact polystyrene
99 PSU ポリスルホン polysulfone
100 PTFE ポリテトラフルオロエチレン polytetrafluoroethylene
101 PTT ポリトリメチレンテレフタレート poly trimethylene terephthalate
102 PUR ポリウレタン polyurethane
103 PVAC ポリ酢酸ビニル poly vinyl acetate
104 PVAL ポリビニルアルコール poly vinyl alcohol
105 PVB ポリビニルブチラール poly vinyl butyral
106 PVC ポリ塩化ビニル poly vinyl chloride
107 PVC-C 塩素化ポリ塩化ビニル chloronated poly vinyl chloride
108 PVC-U 無可塑ポリ塩化ビニル unplasticized poly vinyl chloride
109 PVDC ポリ塩化ビニリデン poly vinylidene chloride
110 PVDF ポリふっ化ビニリデン poly vinylidene fluoride
111 PVF ポリふっ化ビニル poly vinyl fluoride
112 PVFM ポリビニルホルマール poly vinyl formal
113 PVK ポリ-N-ビニルカルバゾール poly-N-vinylcarbazole
114 PVP ポリ-N-ビニルピロリドン poly-N-vinylpyrrolidone
115 SAN スチレン-アクリロニトリルプラスチック styrene-acrylonitrile plastic
116 SB スチレン-ブラジエンプラスチック styrene-butadiene plastic
117 SI シリコーンプラスチック silicone plastic
118 SMAH スチレン-無水マレイン酸プラスチック styrene-maleic anhydride plastic
119 SMS スチレン-α-メチルスチレンプラスチック styrene-α-methylstyrene plastic
120 UF ユリア-ホルムアルデヒド樹脂 urea-formaldehyde resin
121 UP 不飽和ポリエステル unsaturated polyester
122 VCE 塩化ビニル-エチレンプラスチック vinyl chloride-ethylene plastic
123 VCEMAK 塩化ビニル-エチレン-アクリル酸メチルプラスチック vinyl chloride-ethylene-methyl acrylate plastic
124 VCEVAC 塩化ビニル-エチレン-酢酸ビニルプラスチック vinyl chloride-ethylene-vinyl acetate plastic
125 VCMAK 塩化ビニル-アクリル酸メチルプラスチック vinyl chloride-methyl acrylate plastic
126 VCMMA 塩化ビニル-メタクリル酸メチルプラスチック vinyl chloride-methyl methacrylate plastic
127 VCOAK 塩化ビニル-アクリル酸オクチルプラスチック vinyl chloride-octyl acrylate plastic
128 VCVAC 塩化ビニル-酢酸ビニルプラスチック vinyl chloride-vinyl acetate plastic
129 VCVDC 塩化ビニル-塩化ビニリデンプラスチック vinyl chloride-vinylidene chloride plastic
130 VE ビニルエステル樹脂 vinyl ester resin

チタン関係 JIS規格

JIS規格 ASTM規格
純チタン 1種 Grade 1
2種 Grade 2
3種 Grade 3
4種 Grade 4
 ?F67※医療用純チタン(医療用の認可がおりるもの)
Ti-Pd合金系 11種 Grade 7 相当
12種
13種
Ti-Ni-Cr-Ru-Pd合金系 14種 Grade 33
15種 Grade 34
Ti-Ta合金系 16種 規格なし
Ti-Pd合金系 17種 Grade 17
18種 Grade 16
Ti-Pd-Co合金系 19種 Grade 30
20種 Grade 31
Ti-Ni-Ru合金系 21種 Grade 13
22種 Grade 14
23種 Grade 15
Ti-Al合金系 50種 不明
Ti-Al-V合金系 60種 Grade 5
60種E Grade 23
F136※医療用64チタン合金エリー材(医療用の認可がおりるもの)
61種 Grade 9
61種F 規格なし
80種 規格なし

メガネフレーム素材の種類

メガネフレームに用いられる素材としては、大きく分けると3種類存在します。

1つ目がプラスチック(樹脂)素材、2つ目が金属素材、そして特殊素材の3つです。

メガネを企画、デザインする際はこれら材料の特性や機能、価格、デザイン性の違いなどをよく理解しておくことが重要です。

プラスチック(樹脂)素材

一般的にプラスチックといえば石油を主原料として製造しますが、メガネに用いられるプラスチックフレームの多くは綿やパルプ等、植物繊維素を主原料に製造されています。 硝化綿を主原料とした「セルロイド」、酢酸綿を主原料とした「セルロース系アセテート」があります。 「生地」と呼ばれるプラスチック素材は板状の形をしており、これらの材料を削りだすことでメガネフレームを作り出していきます。1000種類を超える様々な模様、色の材料がラインナップとして存在し、また貼り合わせ加工などを行うことにより、独自のカラー、パターンを作ることも可能です。 また100個程度の小ロットから製作可能なことも特徴です。

金属素材

金属はメガネフレームとしてポピュラーな材料です。 ステンレスやアルミ、チタン、ベリリウムなど、軽量性や耐アレルギー性、柔軟性等を考慮して種類を選ぶことができます。 表面のパターン等はプラスチックに種類で劣りますが、メッキやコーティング等により色等を付加することができます。

特殊素材

プラスチックや金属以外の特殊素材として、ウッドやバッファローホーン、ベルベット等様々な種類の素材が存在します。 これらは一般的な材料よりも高価になるものも多いですが、機能性やデザイン面で唯一無二の面がありぜひ知っておきたい素材です。

メガネ素材の加工

プラスチック加工の説明

厚み落とし(スライス)

セルロイド・アセテートシートを規定の厚みから指定の厚みに仕上げます。

 

セルロイドの場合
生地サイズ 横幅 120mm~190mm 長さ 660mm 厚み 1.5mm~8.0mm

プレス機にて平押しをし、翌日スライス加工をします。

 

注意:前処理のプレス機に入る量に限度がある為、1日の加工枚数に制限があります。機械の性質上、表面肌が荒れる場合があります。仕上がり厚みに±0.15?程度の誤差が生じる場合があります。

 

アセチシートの場合
生地サイズ 横幅 80mm~230mm 長さ 160mm~1400mm 厚み 1.0mm~10.0mm
当日納品も可能です。※受注状況によりお日にちを頂く場合もあります。

150本/日の加工が可能です。

鏡面肌仕上げが可能です。

 

注意:シートの製造方法や品質・サイズにより、使用出来る機械に制限がある場合があります。

仕上がり厚みに±0.15?程度の誤差がある場合があります。

 

 

切断
セルロイドは、性質上押し切りでの切断となります。

最少巾 30mm 長さ 660mm 厚み 2.0mm~8.0mm

 

注意:押し切りの為、多少のずれが生じることがあります。

押し切りの為、切断面は垂直ではございません。

※全て手作業での切断の為多少のずれはご了承ください。

 

アセテートシートは、原則にパネルソー機を使用し切断いたします。

最少巾 40mm 長さ 1400mm 厚み 2.0mm~12.0mm

 

注意:パネルソーの鋸刃が3.0mmの為、一度切断するごとに、3.0mmずつ目減りいたします。

 

金属の切断も可能です。
鋼種は、ステンレスからベーターチタン板などが切断可能です。鋼種により切れる寸法や

切断可能な厚みに限度があります。

 

 

貼りあわせ

セルロイドもアセテートシートも同素材なら、任意の寸法で貼りあわせることが可能です。

お客様のオリジナルの組み合わせによって、独自性を出すことが可能となります。

生地サイズ:最大 230mmX640mm

 

注意:貼りあわせる最大厚みは、16.0mm 枚数は4枚までとなります。
1枚1枚手作業で貼りあわせる為、上下で多少のずれが生じる可能性があります。

生地の色によっては、色移りをする場合があります。

その他

EUの環境規制について

EUではプラスチック素材や金属について、環境規制が強化されています。

メガネ素材についての環境対応状況は、お問合せください。

 

欧州では、以前から資源の有効利用や環境保護への取組みが進められています。主な規制としては、ELV指令、包装廃棄物指令、RoHS指令、WEEE指令、EuP指令およびREACH規則があります。これらの概要は以下のとおりです。

 

I. ELV (End-of Life Vehicles)指令(欧州議会・理事会指令 2000/53/EC)
1990年の欧州理事会決議で、使用済み自動車についてECレベルで処理すべき廃棄物であることが確認され、2000年10月に発効しました。使用済み自動車の解体、リサイクル率、回収ネットワークや環境負荷物質 [注]に関する規制、自動車排ガス規制などが定められています。
[注]原則として、鉛、水銀、カドミウムおよび六価クロムの使用を禁止。
欧州委員会は2011年3月、ELV指令(2000/53/EC)の附属書II(適用除外リスト)を改正する委員会指令(2011/37/EC)を官報で公布しました。

 

II. 包装廃棄物指令 (Directive on Packaging and Packaging Waste)(欧州議会・理事会指令 94/62/EC)
1994年12月に採択された指令で、包装廃棄物による環境汚染の防止と抑制を目指し、EU加盟国に使用済み包装廃棄物の再利用、リカバリー、リサイクルの目標レベルを設定したものです。EU域内市場に流通するすべての包装物と、使用・廃棄される場所やその素材にかかわらず、すべての包装廃棄物に対して適用されます。改正指令により、リサイクル率などの達成目標値等が順次、設定されています。
欧州委員会は2013年2月、包装廃棄物指令(94/62/EC)の附属書Iを改正し、「包装」の定義の明確化のための具体例を示す委員会指令(2013/2/EU)を官報で公布しました。

 

III. RoHS指令(Directive on the Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical equipment)
1. 改正前RoHS指令(欧州議会・理事会指令 2002/95/EC)
電気電子機器に関する特定有害物質の使用制限に関する指令で、2003年2月に公布されました。2006年7月1日以降、EU市場に上市(put-on-the-market)された電気電子製品に鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の6物質の使用が原則禁止されており、規制対象はAC1000V/DC1500V以下の低格電圧をもつ大型家電、小型家電、情報技術(IT)および電気通信機器、民生用電子機器、照明器具、電気電子工具(据付型大型産業用工具を除く)、玩具・レジャーおよびスポーツ用品、自動販売機の8分類の電気電子機器です。

 

2. 改正RoHS指令(欧州議会・理事会指令 2011/65/EU)
2011年6月8日付け欧州議会・理事会指令2011/65/EUで改正されました。EU加盟各国は、2013年1月2日までに国内法の制定が義務付けられました。改正のポイントは以下のとおりです。

 

A. 対象製品
改正前RoHS指令の8分類に医療機器、産業用を含む監視および制御機器、その他の電気電子機器が追加され、11分類のすべての電機電子機器が対象になりました。ただし、一部の製品については、2019年7月までに段階的に規制の対象となります。

 

B. 適用除外用途
現在の科学・技術では、特定有害物質を使用する以外に代替手段がない場合は、申請により適用除外用途とされます。改正RoHS指令は製品群と用途の除外項目がセットになり、従来の用途除外項目付属書に加え、医療機器と監視制御機器専用の用途除外項目付属書が追加で設定されました。

 

C. 適合宣言
CEマーキング制度が適用され、上市する前にCEマークを貼付します。適合宣言書や技術文書および販売記録は10年保管となります。

 

D. 生産者の義務
生産者の義務は、RoHS指令への適合性評価の実施、技術文書の作成、自己宣言、手順書による生産や設計変更の適合性の対応ですが、上市後不適合があればリコールのうえ加盟国の所轄当局への速やかな通知が要求されます。

RoHS指令は、統一市場の構築を目的とするEU 運営条約114 条(旧EC 条約95 条)を根拠に策定されているため、国内法制化に当たって各国の裁量は認められていません。このため、輸出者はEU各国のRoHS法に対して一律に対応することができます。ただし、罰則規定や税関での検査の有無などは各国で状況が異なっていますので、注意が必要です。

 

IV. WEEE指令(Directive on Waste Electrical and Electronic Equipment)
1. 改正前WEEE指令(欧州議会・理事会指令 2002/96/EC)
EUにおける電気電子機器廃棄物の回収・リサイクルに関する指令で、2005年8月13日から施行され、同時期に告示された電気電子機器への特定有害物質の使用制限に関する指令である改正前RoHS指令と密接に関係しています。家電・電子企業は自社製品の適切な廃棄・回収処理と費用負担が義務付けられています。EU域内各国では、廃棄物回収システムに相違があるので、各国の国内法では国別の相違が見られます。

 

2. 改正WEEE指令(欧州議会・理事会指令 2012/19/EU)
2012年7月24日に官報で告示され、8月13日に指令が発効しました。加盟各国は2014年2月14日までに国内法の法制化を義務付けられました。改正WEEE指令は以下のとおり段階的に適用されます。

 

A. 適用範囲
2018年8月14日まで附属書Iに記載された10カテゴリーの製品が適用対象となります。附属書IIにはそれぞれのカテゴリーに属する製品を例示しています。また、カテゴリー4に太陽光パネルが追加されました。適用除外製品は軍事目的機器など3つあります。

 

B. 2018年8月15日以降の適用対象
適用範囲は全ての電気電子機器に拡大し、附属書IIIでは移行期間の10カテゴリーから6カテゴリーに集約されています。附属書IVには適用除外製品として宇宙用機器など6品目が追加されています。 リサイクル率は3段階で適用されます。

V.EuP指令 (Directive on Eco-design of Energy-using Products)(欧州議会・理事会指令 2005/32/EU)およびErP指令(Directive on Energy related Products)(欧州議会・理事会指令 2009/125/EC)

 

1. EuP指令は、エネルギー使用製品の環境配慮設計に関する「枠組み」指令で、2005年8月に発効され、規制対象は、輸送機器を除くエネルギー使用機器のうち、年間販売台数がEU域内で20万台以上、環境に影響があり、大きなコスト負担なしで環境負荷の改善が可能などの条件があります。地球温暖化防止対策の1つとなっています。また、本指令に適合することは、CEマーキング取得の条件にもなっています。対象製品は個々に基準が定められており、本指令は、RoHS指令やWEEE指令等を補完するものといわれています。また、その後、対象製品がEuPからErP (Energy related Products、エネルギーの消費に間接的に影響を与えるもの)に拡大され、「エネルギー関連製品のエコデザイン指令」(ErP指令)として、2009年11月20日に発効しています。 規制内容には一般的エコデザイン要求、特定エコデザイン要求があり、EC適合宣言、CEマーキングが必須になります。適合製品には、エコラベルの貼付が義務付けられます。

 

2. 実施措置
EuP指令発効後、第一次Working Plan着手に先行して、2005年から2008年の間に24のプロダクツ・グループが実施措置採択を目標として策定され、このうち13のプロダクツ・グループの実施措置が施行済みとなっています。

 

A. 第一次Working Plan
EuP指令に基づき、2009年から2011年の期間に実現すべき実施措置として10製品グループの策定が発表されています。

 

B. 第二次Working Plan
ErP指令に基づき、2012年から2014年の期間に実現すべき実施措置として12製品グループの策定が発表されました。

 

VI. REACH規則 (the Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)(欧州議会・理事会規則 (EC) No 1907/2006)
2007年6月1日に発効した「化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則」で、運用を担当する機関は、欧州化学品庁(European Chemicals Agency:ECHA)です。

2008年6月1日以降、製造者または輸入者は1企業当たり年間1トン以上EU域内で化学物質を製造または輸入する場合は、既存化学物質と新規化学物質の区別なく、ECHAに登録をしなければならなくなりました。欧州既存商業化化学物質リスト(EINECS)などの段階的導入物質については、経過的措置として、予備登録(Pre-registration)を行うことによって、登録期限に猶予が与えられました。その後、当該物質関係は登録段階に入っています。
また、当該物質の製造者および輸入者は、「CLP規則(EC)No1272/2008」に沿って化学物質の分類、表示、包装を義務付けられました。

 

VII. EU ETS (European Union Emission Trading Scheme、欧州連合域内排出量取引制度)
EU域内の気候変動に対する政策の柱として2005年1月から導入されている、域内での二酸化炭素 (CO2)排出量取引制度です。京都議定書の排出削減目標を達成するための取組みで、フェーズ別に目標値を定めています。EU全域で約1万2,000の施設が対象になっており、主に発電、石油精製、鉄鋼、セメント、化学製品、大型ボイラー等、エネルギー集約部門多消費施設が対象です。
欧州委員会は2006年にEU域内を離着陸する航空機を対象に温室効果ガスの排出規制を導入することを決めました。EU域内の路線を飛ぶ航空機(EU域内の国内線および国際線)は2011年から、EU域内の空港を発着してEU域外と結ぶ全ての国際線の航空機には2012年から適用されることになりました。新規制は、現在欧州連合内で行われている他産業での温室効果ガス排出量削減のための「排出量取引制度」に航空を含めるかたちとなり、航空会社に2004〜2006年の二酸化炭素(CO2)排出量の平均値を基準とした排出枠を割り当てるものです。適用年度以降は排出量がこれを超えた航空会社はEU取引市場で排出権を買い取り、排出超過分を補う必要があります。

 

しかし、欧州委員会は2012年11月、2012年1月に導入した域内を発着して、EU域外と結ぶ全ての国際線の航空機を対象とした温暖化ガス排出規制について一時凍結すると発表しました。割当てを超える温暖化ガスを排出する航空会社は、EUの排出枠取引制度の中で排出枠を購入しなければならず、航空会社にとって負担になるとの見方があり、米国や中国などから強い反対意見が出ていました。

 

以上のとおり、EUの環境規制には多くの種類があり、規制対象は幅広い業種に及んでいます。規制内容などの詳細については、随時見直しや修正が行われていますので、常に動向に注意することが肝要です。

引用:JETRO 環境規制:EU